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弁護士 木村 耕太郎


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法律英語の基礎知識
法律英語の基礎知識
1. 契約書によく使う英語表現
ここでは、英文契約書に頻出の英語表現を集めてみました。
here と there
here は this Agreement 、 there はそれ以外(直前に現れた名詞)を指します。

ABC Company ( hereinafter referred to as “Licensor”)
(  )内は、以下“ライセンサー”という、という意味です。

Licensee hereby agrees that...
ライセンシーは「ここに」同意する。

The parties hereto
「本契約の」当事者

Licensee's payment hereunder
「本契約に基づく」支払

there も同様に thereafter, thereby, thereupon などの複合語を作ります。

前置詞と前置詞句
Upon (=on) the receipt of a purchase order from the Buyer...

Any payment pursuant to (=under) Article 5 of this Agreement...

This Agreement is effective as of September 10, 2008.
 (または as from )
接続表現

A and/or B
「Aおよび/またはB」と訳す人が多いのですが、「および/または」などという日本語はありません。意味としては、「A」または「B」または「AかつB」ということであり、例えば、「A、または、Aに代えて、もしくはAとともにB」のように訳すのが正確です。
and/or という表現は便利なのですが、自分ではなるべく使わない方がよいでしょう。

A, B, C and D
ポイントは、最後と最後から2番目の間のみ and や or を入れるということです。
“ A, B, C, and D ”と書くこともあります。ただしアメリカ英語では“ A, B, C and D ”の方が多く、 C and D を1つのまとまりのように誤読しやすいので注意が必要です。

The Seller and the Buyer agree as follows:
「以下のとおり」合意するという表現で、よく使います。ポイントは、必ず“:”(コロン)を使うことです。

The Seller may terminate this Agreement if:
( @ ) ;
( A ) ;
( B ) ; or
( C ) .
このような並列表現では、“;”(セミコロン)を使うこと、最後と最後から2番目の間のみ and や or を入れること(全部に入れても構いません)がポイントです。

ABC shall make a payment; provided, however,
that... (ただし、…である。)
ABC shall make a payment, provided
that... (…であることを条件として)
両者の違いは相対的なものです。「セミコロン provided, however, that 」は便利な表現で、非常によく使います。

Notwithstanding paragraph (a) above,ABC shall make a payment...
「〜にもかかわらず」の意味です。

ABC shall, however,make a payment...
「しかしながら」の意味です。このように、文中に挿入するのが英語らしい表現です。

義務の表現

shall
「〜しなければならない」は shall を使います。
will を使うことはあり得ますが、普通、 must は使いません。

agree to do

have the duty of ... (名詞/動名詞)

is obligated to do
蛇足ながら“ is obliged ”は「感謝している」の意味です。

権利の表現

may
「〜することができる」は may を使います。 can は使いません。

have the right to do

is entitled to do (または to + 名詞)

is free to do
これは少しくだけた表現になります。

禁止の表現
shall not
2.翻訳の難しさについて

あたりまえのことですが、英語と日本語では概念が 1 対 1 で対応しません。ということは、およそ理論的に「完全な訳はありえない」ということを意味します。

たとえば lien という語があります。この語は、よく「先取特権」と訳されますが、日本法の「先取特権」は法定担保物権を意味するのに対して、英語の lien は約定と法定の両方の場合を包含します。たとえば、ローンで自動車を買うと lien が設定されます(ちなみにローンで家を買うと mortgage が設定されます)。このほか、法定の lien というのもあります(たとえば judgment lien と呼ばれるもの)。したがって、 lien はむしろ「担保権」とでも訳すほかないと思われる広い概念です。

また、 indemnify という語は英文契約書に頻出します。この語はよく「免責する」と訳されますが、「免責する」では何のことだかイメージがつかめないでしょう。実際の意味は、(保証違反など)何かあったら「損失を補償する」、「損害を賠償する」という意味です。

このように、英訳にせよ和訳にせよ、日本法と英米法の両方の理解があって初めて正確な訳が可能となるということは、よくご理解いただきたいところです。このような芸当ができるのは英米法を勉強したことのある日本人弁護士くらいです。

しかしながら、弁護士に翻訳を頼むと高くつくというのも事実ですので、たとえば、担当者は英語が読めるが社長は読めないという場合で、社長が内容の概略を知りたいという程度であれば、翻訳業者に和訳を頼めば十分です。要は、用途に応じて依頼先を使い分けるのが賢明なやり方です。

3.イギリス英語とアメリカ英語

皆さんが中学・高校で習った学校英語の文法は、実はイギリス英語をベースにしています(ただし単語のつづりはアメリカ英語)。このことは、私は留学して初めて気がつきました。

たとえば、関係代名詞の which という語がありますが、アメリカ英語では「関係代名詞の which は非制限用法にのみ用い、制限用法には that を用いる」という、日本の学校教育では教えてくれないルールがあります。非制限用法にのみ用いるというのは、先行詞の後にカンマを必ず打つということです(その証拠に、皆さんがお使いの Word のバージョンによっては、 which を制限用法に用いると緑の波線で文法ミスを示唆されます)。

また、引用符(アメリカ英語では“ ”、イギリス英語では‘ ')を文の区切り末または文末で用いる場合、イギリス英語ではカンマやピリオドを引用符の外に出しますが、アメリカ英語では引用符の中に入れます。

さらに、日付の表示の仕方もイギリス英語(というよりヨーロッパ式)とアメリカ英語では異なります(ヨーロッパ式は日・月・年の順、アメリカ式は月・日・年の順)。

私は、自分で書くとき(特にアメリカの企業が相手のとき)はアメリカ英語を用いますが、要するに、どちらかに統一されていることが重要です。しかしながら、実際のところ、イギリス英語とアメリカ英語の違いにまで気を配る人は、ごく少数です。

4. 不加算名詞について

日本人の書く英語で多いミスの1つは、不可算にしかならない名詞に a をつけたり複数形にしてしまうことです。よく使われる不可算名詞は限られていますから、覚えてしまいましょう。

(代表的な不可算名詞の例)
advice
information
equipment
evidence


staff
 「スタッフ1名」はa staffではなく、a staff memberといいます。

5.各分野の法律用語
ここでは、英訳または和訳に役立つ各分野の法律用語を集めてみました。
左端が日本語のものは英訳用です。
(1)司法

「弁護士」「代理人」  attorney-at-law / lawyer / counsel

「訴訟」  litigation (不可算) / lawsuit ( 可算 )  用例: file a lawsuit / action ( 可算 )

「委任状」  power of attorney / proxy

「証拠」  evidence / proof
「書証」  exhibits

「主張する」  allege / argue / assert / claim
よく argue を「反論する」の意味に誤解している人がいますが、間違いです。
argue for や argue against という表現があるように、 argue 自体は中立的です。

「反論する」  rebut / argue against

「証明する」  prove / show / demonstrate / verify cf. certify

「提出する」  submit

「訴状」  complaint
complaint を「異議」と訳し間違えないよう注意しましょう。「異議」は普通 opposition です。

「答弁書」  answer

「準備書面」  brief / pleadings

(2)知的財産

「形態」  configuration
「形状」  shape
この訳しわけも、日本法における「形態」と「形状」の意味の違いを知っていることが前提になります。「形状」は物理的なカタチをいい、「形態」は「形状」に模様、光沢、質感などが加わった総合的な外観をいいます。

「称呼」  pronunciation
「外観」  appearance
「観念」  idea
商標法の用語です。

「著名な」  famous
「周知の」  well known
不正競争防止法の用語であり、はっきり意味が違います。「著名」とは、その分野以外でも名が知られているようなものをいいます。

「出願する」  file an application
「出願手続」  prosecution
application は出願書類を提出する1点を指し、 prosecution は出願書類の提出から権利になるまでの時間軸の全体を指します。

(3)会社法

Inc.
Co.
Co., Ltd.
それぞれ何と読むかわかりますか。順に「インコーポレイテッド」、「カンパニー」、「カンパニー・リミテッド」と読みます。

「株式会社」  corporation

「法人」  legal entity / juristic person
ほとんどの人は corporation は「法人」だと思っているでしょう。しかし、特にアメリカ英語では、文脈にもよりますが、 corporation は「株式会社」の意味で用いられることが多いので注意してください。

「X会社の株式 500 株」  500 shares of the stock of X Corp.
辞書を引いただけでは share と stock の意味の違いなどわかりません。こういう表現は経験で身に着けていくしかありません。

merger 「吸収合併」 cf. consolidation
merger は普通「合併」と訳しますが、アメリカ英語では厳密には吸収合併のみを指します。

preemptive right 「新株引受権」
従来の日本の商法には「新株引受権」という用語に2つの意味がありました。そのうちの1つが、ここでいう preemptive right つまり株主の議決権割合を維持する権利です。もう1つの「新株引受権」は、会社法では「新株予約権」と名称変更されました。

(right of) first refusal 「先買権」
例文
X will have a right of first refusal to purchase the same shares on conditions no less favorable than applicabel to the said third party.
(Xは、上記第三者に適用されるのと同等以上の条件にて、同一の株式を優先的に購入する権利を有する。)

(4)国際取引、国際税務

CIF / FOB
いわゆる貿易条件の最も代表的なものです。 Incoterms (インコタームズ) と UCC ( Uniform Commercial Code 統一商法典)では同じ用語でも意味が違うので、売買契約や販売代理店契約においては、この点に特に注意します。

LC (letter of credit) 信用状

BL (bill of lading) 船荷証券 cf. AWB (Airwaybill) 航空貨物運送状

withholding tax  源泉徴収税

PE (permanent establishment) 恒久的施設

(5)金融取引、証券取引
 

disburse  (融資を)実行する、(費用を)支出する

subordinate  (順位を)劣後させる

subrogate  代位する
The Guarantor shall not be subrogated to the security taken by the Lender.
(例文は、保証人が弁済しても債権者に代位しない、の意味。)

securities (有価証券)

IPO (initial public offering) 「当初公募」「株式公開」

underwriting (証券会社による「引受」)
(参考)
subscription (株主による株式の「引受」)
 
acceptance (手形の「引受」)
日本語の「引受」には3つの意味があり、英語ではすべて違いますから気をつけましょう。



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(目論見書)

registration statement (有価証券届出書)

 
 
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